誰だよ武藤って、から一転…武藤雄樹は浦和レッズで何をした?
浦和レッズでエースナンバー[9]を携えフィールドを駆け回る男【武藤雄樹】。
浦和レッズ移籍後当初はサポーターの不満にも似た声が広がっていたもののすぐに認められ、好かれるようになっていきます。
いったい、彼は何をしたのでしょうか…?
武藤雄樹 TALENT's INFO
浦和レッドダイヤモンズ | 9 | FW/ |
武藤雄樹 DATA
プレースタイル | シャドー |
---|---|
A代表歴 | 2試合・2得点 |
得点数 |
2015年にリーグ13得点 |
スパイク | ミズノ |
年俸予想 | 5300万円(2019年) |
武藤雄樹のプレースタイル~シャドーストライカー
シャドーがハマるストライカー
武藤雄輝はフォワードですが、オフェンシブハーフ(中央の前よりの真ん中)などミッドフィルダーよりでも活躍する選手。
浦和レッズに移って突然2桁ゴールを達成しました。なぜいきなりそんな成績を叩き出したのか?
きっかけはシャドーという役割を与えられたからです。
シャドー(シャドーストライカー)とは?
トップの一つ後ろに位置しながら、ストライカーと同じくゴールを狙う役割。
ストライカーとの違いは、ストライカーよりも後ろにいて周囲を見ながらいざというときに前に出る。影(シャドー)のようにスッとを現れてはさっとゴールを奪う人。
DFに攻撃を気付かれないようにポジショニングし、いざというときに優れた動き出しが肝要。こぼれ球にも素早く反応する。
位置的には『トップ下』、『セカンドトップ』にいて、セカンドストライカーとも呼ばれる。
武藤雄輝はとにかく運動量が多く、シュートだけのストライカーというよりハーフ(真ん中より)の能力も持ち合わせた選手。
当時の浦和の監督は武藤雄輝のこの能力を見抜き、シャドーの役割を与えました。するとこれがピタリとはまったんですね。
オフザボールの動きに優れていて、ポジショニングがよく、裏へ抜け出してゴールを狙う
武藤雄輝は「ゴール前で勝負するのが自分の持ち味」と自分でも語っており、裏への飛び出し、ワンタッチゴールで勝負することを得意としています。
まさにシャドーとしてのスキルです。
ボールを持っていない(オフザボール )ときからゴールをしたたかに狙い、適切なタイミングで飛び出します。相手は裏をかかれるので、カバーしきれずにゴールを許してしまうというわけです。
この動きを「忍者」という人もいますが、まさに忍者武藤です!
よく走り、守備にも貢献する
武藤雄輝は運動量が多く、よく走ります。それでいて守備面でも活躍する。どこでも使いやすくて献身性があることで人気があります。
武藤雄樹の経歴~大学でエース、プロになってくすぶり…
プロ入り前 ユース・学生時代 |
FCシリウス |
---|---|
2011 | J1:ベガルタ仙台[19] |
2015 |
J1:浦和レッズ[19] |
2016 |
J1:浦和レッズ[9] |
名門流通経済大学でJFL15得点、キャプテンを務め、エースストライカーとして活躍
流通経済大学サッカー部は部員が200人いるという名門。
そこで1年生のとき(2007年)JFLで15得点とストライカーとして活躍。4年生になるとキャプテンを務めエースストライカーとして関東大学リーグ得点ランキング2位、ベストイレブン選出、ベストヒーロー賞を獲得と大活躍。
JFL(日本フットボールリーグ)とは、アマチュアサッカー選手にとってのリーグ。JリーグからみてJ3と同等のような扱いで、JFLからJ3リーグに昇格するシステムもある。関東大学リーグの上位リーグ。
プロデビューはベガルタ仙台。得点数が伸びなかった原因とは?
大学卒業後、2011年からベガルタ仙台(J1リーグ)に所属してプロデビュー。しかしゴールはたいして奪えず仙台所属の4年間でたったの6ゴール(リーグ)しか奪えていません。
実はこのころは主にサイドで起用されていて、ゴールを奪うストライカーとしては機能していなかったのです。1、2年目は1ゴールで終了。3年目にいたってはノーゴール!
4年目になると監督が変わりその監督の目に止まると、ポジション・役割が変わってと一挙に4得点に増加。これからの成長が楽しみなときでしたが、武藤は将来的なことも考え、移籍を考えます。
浦和に移籍が決まるもサポーターからは不満の声「なんで武藤なの?」
複数のクラブから声をかけてもらった中の一つに浦和レッズがあり、武藤雄輝はそこに決めます。
ところが浦和のサポーターからは疑問の声が噴出。なぜかといえば武藤雄輝は存在をほとんど知られていなかったからです・・・。
「仙台の武藤って誰だよ」
無理もありません。ベガルタ仙台でレギュラーをはっていたわけでもなく、日本代表選出の経験だってない。
名門でキャプテンを努めていても、プロの世界では厳しいものなのですね…。
浦和に移籍後、シャドーというポジションを与えられて開花!
ところが浦和生活がはじまってみると一変。武藤雄樹の存在は、浦和レッズの中でばっちりハマっていくのです。その理由は「ポジション」にありました。
結果的に1年目で2桁得点を達成!浦和の中での得点王に輝くと、翌年にはエースナンバー[9]を授けられることになったのです。
武藤雄樹の活躍(上が最新)
J1通算200試合出場を達成!(2019年3月)
2011年、J1のベガルタ仙台でデビューし、2015年にJ1浦和に移籍、2019年3月にはJ1通算200試合出場を達成しました。
今シーズン初出場。
— 武藤 雄樹 (@yuukimutou) March 30, 2019
そして、今日で200試合出場になりました!たくさんの人に支えられ、応援してもらい、プレー出来てることを幸せに思います。
次は勝利に貢献出来るように頑張ります!#武藤雄樹#ベガルタ仙台70試合#浦和レッズ130試合#目指せ300試合 https://t.co/OUoRe7oZnH
2017年以降監督が変わって、武藤雄樹は満足に得点できてない状態が続いていますが、毎年30試合以上出られるのは、本人の献身性が認められていることの証左と言えるでしょう。
武藤自身、次はゴールで貢献したいと語っていますので、今後の武藤を応援しましょう!
2011~14年 | ベガルタ仙台で70試合出場 |
---|---|
2015~19年 | 浦和レッズで130試合出場。J1で累計200試合出場達成(3月) |
浦和レッズに移籍すると突如2桁得点をマーク!(2015、16年)
ベガルタ仙台で指で数えるほどしかゴールできなかったのに、浦和に移籍すると初年度から2桁ゴールを達成!浦和内で得点王になりました。
なぜいきなりこんなに得点を上げたのか?これぞまさしく浦和の監督が武藤のスキルを見抜いていたからに他なりません。
その監督の名は【ミハイロ・ペドロヴィッチ】、愛称【ミシャ】。
ミシャ監督の特徴的な戦術は『ミシャ式』と呼ばれ、攻撃陣形は1トップ2シャドーという攻撃的な布陣。この一角を武藤が担っていたのです。
前述の通り、武藤は動き出しに優れ、ストライカーとハーフを混ぜたような選手。シャドーという役割がぴったりハマったんですね。
結果的には2年目からエースナンバーという大出世!
仙台でくすぶり、浦和で誰だよ呼ばわりされてからのエースナンバー。私個人的には、めちゃくちゃカッコいいと思います。
A代表として東アジアカップ2015に出場、得点王を獲得(2015年)
武藤雄樹はA代表に選出され、2015年の東アジアカップに出場しました。
A代表とは、年齢制限のない、その国を代表するプロの選手。日本代表。
それが彼にとって代表としてのデビュー戦でした。すると驚くことに、デビュー3分で1点を奪ったのです!90分でも1点を奪えるか怪しいようなスポーツで、まるでカップ麺みたいな3分で1点は驚異的な成績です。
やはりストライカーとしての素質があるのでしょうか。
結果的には2試合で2得点、この大会の得点王に輝きました。
武藤は「東アジアカップに出て意識が高まった。もっと結果を出して活躍したい」と代表熱が高まったようです。しかし残念ながらこれ以降代表としての出場はありません。
日程 | 対戦国 | 武藤雄樹のゴール | 試合結果 | 監督 |
---|---|---|---|---|
2015年8月2日 | 北朝鮮 | 3分でゴール | 1-2で負け | ハリルホジッチ |
2015年8月9日 | 中国 | 41分にゴール | 1-1で引き分け |
武藤雄樹のキャラクター性~アツい・アカい男!
目標を口にするアツい青年という感じ
武藤雄樹は「もっと活躍したい!こんな選手になりたい!」ということを話すようなアツい青年というイメージがあります。
他の選手のテクニックを良さを挙げては「自分は飛び込むところで勝負していきたい」ですとか、
プロになったときには『1、2年目でスタメンをとって3年目は代表入りする!』という夢を持つほど若々しさに溢れた選手です。
それでも浦和に移籍を決めるときは悩んでいたそうですよ。そんなときは2歳年上の奥さんの「勝負してみたら」という言葉に奮起され、背中を押されたとのこと。夫婦でアツいところをもっているんですねぇ。
私自身、あまり「〇〇やっていく!」とか「テッペンとる!」みたいな目標を口に出せる方ではないので、羨ましさも感じます。
こういう気持ちの強さが動き出しの良さにつながっているのかもしれませんね。
『「じゃない方」の武藤』で知られるようになる
アツさ、というかその性格の明るさを示すエピソードがあります。
2015年4月に、武藤雄樹が浦和レッズに移籍して初めてゴールを決めたときです。
そのときはまだ武藤の名が知られてませんでしたが、逆にFC東京にいた【武藤嘉紀】が非常に話題になっていました。憧れの欧州を舞台とするプレミアリーグの【チェルシー】から移籍のオファーが入っていたんです。
サッカー界の武藤といえば武藤嘉紀。
武藤雄樹はといえば元仙台の知らない武藤。
そこで浦和初ゴールを決めた試合の終了後、「『じゃない方の武藤、やりました』と(記事に)書いてといてください」と自虐ネタを突っ込んで笑いを誘ってきたんです。ユニークですよね。
本人の明るさがあってこそのコメントですが、武藤雄樹の底力も感じさせられる一コマですよね。なにせその時は、浦和の得点王になるとは誰も想像していませんでしたから。
寿司をもたらす男
武藤雄樹は『寿司をもたらす男』!
「は?」と思いますよね。寿司を作って持ってきてくれるのか…?
いいえ、武藤雄樹が勝つと「寿司を「おごって」くれる」のです!
武藤雄樹は埼玉県熊谷市に本店を持つ【がってん寿司】とスポンサー契約を結んでいます。
公式戦において浦和レッズが勝利する、または武藤雄樹がゴールを決めるという条件を満たしたときに、
当日か翌日にがってん寿司がまぐろを1皿プレゼントしてくれるというキャンペーンがあったんです(ほか特定の条件あり)!
これで”合点”がいったでしょう!
お金ではなく、ゴールでおごってくれるということですね。
レッズもがってん寿司も埼玉県がホーム。レッズのロゴもユニフォームもまぐろも色が赤、という共通点があったからでしょうか。
2018年11月1日にこのキャンペーンがあり、更に200試合出場記念でも開催されたようです。これからも寿司をもたらしてくれ~!
とある選手の試合映像をじっくりみて学んでいった真面目な努力家
サッカーにおいては動画をじっくりとみて学んでいくような真面目な一面もあります。
ゴールの映像を見ては研究し、参考にしているんです。
とくに武藤雄樹が大学のころからの憧れの選手が【佐藤寿人】(広島で点取り屋として大活躍、2019年現在はジェフユナイテッド千葉所属)。
大学2年から自分のプレーが通用しなくなったときに方向性を見失った武藤。そのときに出会ったのが佐藤寿人のプレー映像。
動きやポジショニングの基礎は、ここにあったわけですね。
武藤雄樹の気持ちいいゴール動画
まさに阿吽!抜群の動き出しに胸トラップ→速攻シュートが最高に気持ちいい武藤雄樹のゴール
これは気持ちいいゴール!武藤の急激な飛び出しと絶妙なアシストがばっちりハマったゴールです。まさにこの動きは『ミスター・シャドー』武藤らしい動きです。文句なしのゴールでしょう。
最終ラインの背後を突いた武藤 雄樹(浦和)が浮き球を胸で収めると、相手GKとの1対1を制して勝ち越しゴールを奪取!明治安田J1のゴール動画を公開中!2018年9月16日(日)に行われた明治安田生命J1リーグ 第26節 横浜FMvs浦和のゴール動画です。
行く手を阻む2人のDFを瞬間移動のように抜き去り右足で押し込んだ武藤雄樹のゴール
タッチライン際からのループパスを受け取った9番の武藤。すると前には2人の壁が迫ってきます。周りには誰もいないと判断し、一人でこの壁を突破すると決断、見事に抜いてゴール!後ろの選手は転んでしまったとして、左サイドの選手が上がってこなかったのは謎です。
カウンターからセンターライン付近でパスを受けた武藤 雄樹(浦和)が相手守備陣を抜き切ってシュート!浦和がATに試合を決定付ける3点目!明治安田J1のゴール動画を公開中!2018年10月20日(土)に行われた明治安田生命J1リーグ 第30節 浦和vs鹿島のゴール動画です。
胸トラップでシュートスペースを作ってワントラップで決めた武藤雄樹のグラウンダー
受けたパスを胸でトラップする際、敵のいない空いた前のスペースにボールをおくことでシュートチャンスを作ります。そして得意のワンタッチシュート。この速さが武藤の武器です。
ロングパスから胸トラップでマークする相手とうまく入れ替わった武藤 雄樹(浦和)が間髪入れず左足シュート!浦和が早い時間に先制!明治安田J1のゴール動画を公開中!2018年11月10日(土)に行われた明治安田生命J1リーグ 第32節 札幌vs浦和のゴール動画です。